CSAXNミステリー 名探偵ポワロ「カーテン~ポワロ最後の事件~」(7/19 7時30分~)
「カーテン」はポワロ最後の事件で、その衝撃的な最後は「傑作」と呼ぶにふさわしい作品だと思います。
舞台は、ポワロが初めて登場した「スタイルズ荘」。
この場所で、再び忌まわしい殺人事件が起ころうとしていました。
作品は冒頭からまるでモノクロの作品でもあるかのように陰鬱な雰囲気が漂っています。
ポワロからの手紙で再びここを訪れた長年の友人・ヘイスティング大尉。そこで彼が目にしたのは難事件を華麗に解決したポワロの姿ではなく、老いによって心臓病を患い、車椅子で生活している彼でした。
ポワロはヘイスティングスに「変死として片付けられた幾つかの事件がこの山荘にいるある人物によって引き起こされた殺人である」と告げるのです。
しかし、どうやらポワロは既にその犯人を分かっているようでした。しかし車椅子の自分では思うように情報収集出来ない。そこでヘイスティングスの助けを借りたいというわけです。
以前殺人のあった「スタイルズ荘」。
そこに集まった面々もまたそれぞれに怪しい影があるのです。
陰鬱な雰囲気の中、最初の事件が起こります。
真犯人は誰なのか。動機は何なのか。
それを調べていくうちに、ヘイスティングスは「自分の娘がその犯人なのではないか」と、疑念を抱くようになります。
自分がどんなに信頼している人間でも、殺人をしないとは言い切れない。そんな疑惑が彼の心を支配する中、第2の事件が起こります。
眉間を打ち抜かれた遺体でしたが、最初の事件と同じく「自殺」として片付けられます。
そしてその直後、ポワロも事件の解決を見ることなく亡くなってしまい、真実は闇に葬られたのでした。
それから4ヶ月後・・・。
ポワロからヘイスティングスに真相が書かれた1通の手紙が届きます。
そこには「第2の殺人の犯人は自分である」と書かれていました。
・・と同時に、今まで”変死”と片付けられた事件の”真の犯人”が、ポワロの殺した被害者であったということも。
被害者(ノートン)は、幼い頃から母親から疎まれていました。
それは、母親が彼の性格を見抜いていたせいなのかもしれませんが、彼は成長してからも、人の良さそうな顔をして近づき、密かにその人の心を弄び、その人の心に憎悪を植え付ける人間だったのです。
ポワロは冷静で、聡明な人間です。
そんな彼の所業を見かねたポワロは自ら鉄槌を下したのです。
しかし、その鉄槌でさえ、もしかしたらノートンの筋書きだったのかもしれません。
あの高名な名探偵が最後に殺人を犯した。
それは自分とポワロしか知らない真実であっても、自分はポワロに「自分を生かしてはおけない。私が引き金を引かねば」と憎悪を植え付けさせたのです。
そういう意味で、ポワロもノートンの闇に引きずり込まれた人間の1人なのかもしれません。
「カーテン」は、1940年代初頭に書かれた作品のようですが、人を支配し、コントロールして、殺人を犯かさせた事件はここ数年でも何件かありました。
そういう意味で今なお色褪せない彼女の作品は、大変面白いと言えます。
是非、機会があれば見ていただきたい作品です。
ありがとう寄稿。
桐谷美玲演じる主人公は、長らく恋愛をせず、仕事に力を入れてきたにも関わらず、それもうまくいかず、、、と辛い状況からスタートします。
桐谷美玲主演:好きな人がいること1話/感想!湘南で出会うイケメン3兄弟は、非現実的…(ネタバレ注意)。 #TV | おすすめ面白い小説用ブログ。