2018年12月16日日曜日

マスカレード・ホテル 東野圭吾 緊張感とユーモアたっぷりの秀逸な一冊です。【感想ネタバレ注意!あらすじ】。 #COMIC

刑事が超一流のホテル、それもフロントに配属されて、連続殺人事件を防ぐという状況だけで、すでにワクワクさせてくれる東野さんの舞台設定の上手さには脱帽です。なぜ、ホテルが連続殺人の次の場所と警察が分かった経緯も、理系の東野さんらしい発想で、唸りました。優秀ですが、ちょっと生意気な潜入した刑事と、教育係のホテルウーマンとの悪戦苦闘は笑えます。何しろホテルは超一流で、お客様の言うことには全てイエスと答えなければなりません。また、ホテルを訪れる客が多彩にして訳ありで、客の言動だけでも興味深いほどです。そんな客達の要望を叶えるべく、走り回るホテルスタッフ達のプロ意識に感心したり、ホテルの裏側を覗ける知識欲が満たされます。もちろん東野さんの小説なので、面白いだけでは終わりません。連続殺人犯の容疑者を主人公達が次々とあげ、真犯人かどうか捜査していく過程は緊張感に満ちています。クライマックスの真犯人と主人公の駆け引き・知能戦は、手に汗握ります。主人公の推理眼に感服しました。ただ、真犯人の動機が切なくて、ドラマとしても、しっかり仕上がっています。

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