2018年12月20日木曜日

『勝手にふるえてろ』 著者:綿矢りさ「恋愛に奥手なある女性が、二人の男性の間で揺れ動く様子」【感想ネタバレ注意!あらすじ】。 #BOOK

映画化されることで注目を集めている『勝手にふるえてろ』。この作品は、恋愛に奥手なある女性が、二人の男性の間で揺れ動く様子をえがいた物語です。最初、彼女はその二人の男性を「二人の彼氏」として紹介するのですが、実際には、一人はただ片思いを続けているだけの男性、そしてもう一人は、言い寄られているものの、あまり興味の無い男性、なのです。守り続けてきた自意識の中で、彼女自身が何を考えているのか、ということが克明に記述されているのは、読んでいてもどかしさなどを覚える部分がありました。自分の現状をとらえつつ、理想に生き、妥協をしない、ということを貫く彼女の姿に、あきらめや妥協で人生を歩んできた私としては、見ていてまぶしいものがありながら、あまりに理想を追いつづける、ある種愚かとさえいえるその幼さは、もどかしく思ってしまったのです。そんな内容でしたが、最後には彼女がそのうちの一人を選びます。その一人が誰なのか、それを考えながら読んでみるというのも、面白いのかもしれません。

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