2016年6月27日月曜日

感想・書評「囲碁の民話学:大室幹雄」ネタバレ注意・日本と中国の比較文化的な観点から分析し、その魅力を明らかにしています(レビュー)。 #読書

『囲碁の民話学』(大室幹雄):囲碁の奥深さを比較文化的に見た著書


AIが囲碁棋士を破ったことが話題となり、囲碁もAIに通じなくなったと一時期話題となりました。
しかし、囲碁の魅力は勝ち負けだけにあるのではありません。
『囲碁の民話学』では囲碁を日本と中国の比較文化的な観点から分析し、その魅力を明らかにしています。
囲碁は碁盤に碁石を置いていくことで成立するゲームですが、この行為を空間的象徴性と時間的象徴性に基づくものと見れば、囲碁はまさに世界を作るゲームと言えるでしょう。
実際、囲碁の盤面で行われていたことが現実世界で行われていた戦争だったという説話も引用されています。
囲碁はまさに世界を動かすゲームだったのです。
また本書では、囲碁が描かれた日中の説話を丁寧に拾い、囲碁がいかに長く人々に愛好されていたかが明らかにされています。
日中の説話に多くの神様や仙人が囲碁に浸っている様子が見られることを示し、時代を問わずに囲碁に親しむ人々を見ることができるようになっています。
確かに、囲碁は勝ち負けの面ではAIに負けたかも知れませんが、囲碁と人間の関係は簡単に切れるようなものではありません。
これからも囲碁は魅力的なゲームであり続ける、そんな確信を持たせてくれる1冊です。

ありがとう寄稿。

家柄だけはすこぶる良いのに、世の中の変化についていけずに困窮して頼ってきた元家臣を大勢抱え、安月給で大変なお役目に日々追われる若様たち。でもお互いに支え合ってけっこう楽しげに暮らす様子は、微笑ましくも感じます。
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