『パンの大神』アーサー・マッケン
ゴシックホラーの巨人アーサー・マッケンが1890年に書いた近代古典ホラーの代表作です。ロンドンの社交界で次次と著名人が自殺していく怪奇事件が発生。その影にはヘレンという謎の美女が見え隠れするのですが、彼女の正体は闇の中に隠されたまま。事件の関係者達がそれぞれのルートで独自に事件の真相を探り、彼らが集めた情報を照らし合わせると、そこに驚きの真実が明らかになりました。
この『パンの大神』最大の特徴は、事件の鍵を握るヘレン本人が直接読者の前に登場することがないことです。
ヘレンによって身を滅ぼされたひとからの体験談、またはヘレンをちらっと見たことのある人物からの又聞き、また何かしらの調査記録による淡々とした生い立ち。そういったものでしかヘレンの姿は描写されません。
しかしヘレンが関わると、そこには摩訶不思議な惨事が発生するのです。
そうなると、読者はこのヘレンに対し様々な憶測やイメージを想像力でもって作り上げます。そのため本人が登場しなくても、読み手側には大きな存在としてヘレンの印象を残すことになるのです。
こういった手法やヘレンの最期は、かのラブクラフトに大きな影響を与えたとされ、実際にラブクラフトの代表作『ダニッチの怪』で『パンの大神』の影響を強く受けている箇所が幾つか見受けられます。
19世紀を代表するホラー小説として今もなお語られている名作です。
ありがとう寄稿。
真実を本橋に告げてからかなり慌ただしい感覚にもなってくるのもかなり伝わるのですが逆に新事実が目に見えるのもかなり分かるのではないかと思うのです。
不動7巻第5話「組長秘書」感想&あらすじ・膝枕をしている本橋ですがどこか表情を変えている姿にはかなり面白く…ネタバレ注意。 #マンガ - ジャンプ部屋ブログ