2016年5月9日月曜日

感想・書評「ダーリンは外国人 まるっとベルリン3年め:小栗左多里&トニー・ラズロ」ネタバレ注意・(レビュー)。 #読書

「ダーリンは外国人 まるっとベルリン3年め」 小栗左多里&トニー・ラズロ・著

国際結婚をした左多里さんとトニーさん夫婦が、息子のトニーニョくんを含めた家族3人でベルリンに移住して暮らす様子をつづったコミックエッセイです。トニーニョくんの小学校入学を機に、夫婦どちらの出身地でもないドイツに移住することを思い立ち、それを実行に移してしまう行動力には本当に感心します。ベルリンではストレス解消法の一つとして、車の最終処分場で廃車をボコボコに壊せるところがあるというエピソードには少し驚きました。お二人が実際に体験してみたルポは興味深かったですが、ストレス解消の手段としては不健全に思えるのは私だけでしょうか。何かを破壊したい欲求を満たせるのは確かだと思いますが、もし自分が体験したら妙な罪悪感を感じてしまいそうです。また、リペアカフェという、壊れた家電をボランティアスタッフに教えてもらいながら自分で修理できる場所が紹介されていて、すごく素敵だなと思いました。馴染みのない様々な文化を、冷静な目で見て受け入れているお二人にはとても好感を持ちました。

ありがとう寄稿。

とにかく上流意識の強い母親と、その母親のせいで無気力になった息子、そして息子の彼女という3人の織りなす人間模様。テンポは良いけれど、中身はすごく濃厚でした。
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